野外観察 2020/02/12

久しぶりに野外観察に出掛けた。

仕事などで忙しく、実際のところ半年以上こういうことは出来ていなかったかもしれない。

ようやく野外観察に行けそうな時間が出来たので意を決して家を飛び出した。

 

最近は自宅で飼育している種しか見ていないが、最近やっている"過去データ復刻編"で過去のデータを漁っていると何だかんだ結構いろんな種類を観察してきたんだなあと思う。

その流れで、いつも見ない種類を見たいなあと思って観察場所の狙いをいつもと変えてみた。

 

冬場の観察といえば地上を徘徊するアリを観察することは期待できない為、おのずと枯竹採集が基本となる。

枯竹からはアリが見つかる可能性が高く、なおかつ様々な種が発見できる。採集もしやすい。

しかし、”枯竹に住まない種”出会えないので今回は【朽木・枯木】【木の実】【林床】を狙うことにした。

 

【朽木・枯木】は枯竹と似ているが、竹ではないのでハリアリやウメマツアリなどが見れるのではないか??

【木の実】は小型種が入っていることがある。以前にムネボソアリなどは観察したが他の種類はいないかな??・・・しかし今回は見つけられなかった・・・。

【林床】林床からは樹上営巣種とは全く違う種が得られる。普段目にすることのない種にお目にかかるには有効な方法だが、まだ時期的に寒いせいか今回は成果が得られなかった・・・。

↓※過去の林床採集の様子↓

 

 

 

 

・・・ということで、今回は結局枯竹に一番近い枯木からのみアリを得られた結果となった。

今回の観察結果は以下の通り。

 

・ミカドオオアリ女王の亡骸

・ミカドオオアリのサテライトコロニー

・ヤマヨツボシオオアリのコロニー

・ケアリ属の女王

 

 

 

 

コロニーを見つけることができたヤマヨツボシオオアリ。

 

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単独で枯枝から見つかったケアリの女王。

越冬中なのか、コロニーを創設できなかった女王なのか、究極の腹ペコ状態だったので蜜エサを与えて様子を見ることにした。

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今回は寒い冬の時期に観察に出掛けた為、林床などのポイントはあまり成果が得られなかったがアリの活動が活発になった時期にまた調査してみたいと思う。

 

 

 

 

ヒラフシアリについて 〜過去データ復刻編〜

ヒラフシアリ Technomyrmex gibbosus

 

女王サイズ;約3.5mm

ワーカーサイズ;約2.5mm

 

頭部・胸部は褐色、腹部は黒褐色の小型カタアリ。

樹上営巣種で枯枝や枯竹内に営巣する。

 

結婚飛行は9〜10月に観察。

有翅個体はしばしば灯火に飛来する。

ただし、小型種で女王のボリューム感もあまりないことから有翅雌と気付かないこともあるかもしれない。

 

 

ヒラフシアリの初期コロニー。

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飛行後の有翅雌と脱翅雌。

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脱翅雌。

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有翅雌。

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ワーカー。

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初期コロニー。

蛹の形態は裸蛹。

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枯枝に営巣していたヒラフシアリのコロニー。

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生タイプ赤虫を与える

2月に入り、我が家のアリ達が少しずつ活性化してきた。

完全越冬モードを示す巣部屋での『アリ玉』が少しずつ解け、エサ場を徘徊するワーカー達も増えてきた。

冬場でも割と活動のあるクロナガアリは別枠として、最近ではクロヤマアリやオオアリ属が動き出してきた。

 

越冬が明け始めると徐々に産卵が再開し、幼虫が成長を始め、肉エサの需要が高まってくる。

越冬中はミルワームの切片や鮭フレークなどを少量与えていたが・・・

 

さて・・・そろそろ違うものも与えてみようか。

 

考えた結果、赤虫を入手してみた。

昔、魚のエサ用に売っていた乾燥赤虫を水で戻して与えたことがあるが、あまり勝手が良くなかったので今回は冷凍の生タイプ赤虫を使ってみることにした。

 

 

赤虫は解凍した後にエサ場に投入。

やはり生っぽいので各コロニーとも反応が良く、ミルワームのように硬い殻があるわけではないので食べかすがあまり出なそう。

また、反応の良いコロニーとさほどでもないコロニーもあるので、様子を見ながら使ってみたい。

 

 

ヒラズオオアリについて 〜過去データ復刻編〜

ヒラズオオアリ Camponotus nipponicus

 

女王サイズ;約6mm

マイナーワーカーサイズ;約2.5〜3mm

兵アリサイズ;約5mm

 

黒色または黒褐色の小型オオアリ。

ワーカーはマイナーワーカーと兵アリの2型。

女王と兵アリの頭部は切断されたように平らで、この頭部を使って巣口の入り口を塞ぎ外敵の侵入を防ぐ特徴的な生態を持つ。

樹上営巣種で枯枝や枯竹に巣を作る。

 

結婚飛行は中部地方、四国で7月に観察。

灯火にも飛来する。

 

 

ヒラズオオアリの有翅雌。

 

 

枯竹に営巣していたヒラズオオアリのサテライトコロニー。

兵アリの頭部はヒラズオオアリ亜属特有の形状をしている。

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灯火に飛来した有翅雌。

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有翅雌の形状詳細。

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ヒメアリについて 〜過去データ復刻編〜

ヒメアリ Monomorium intrudens

 

女王サイズ;約4mm

ワーカーサイズ;約1.5mm

 

頭部・胸部は黄色〜黄褐色、腹部は暗褐色の鮮やかなコントラストの小型種。

林縁から草地にかけて生息。

枯竹中などに営巣し、篠竹などの細い竹より一般的な太い竹の枯竹によく見つかる。

多雌性かつ多巣性でコロニーには大量の女王、ワーカー、幼虫などが見つかる。

超小型種の為、飼育には飼育容器の高い密閉性が求められる。

 

 

 

ヒメアリのコロニー。

通常、コロニーにはたくさんの女王が存在する。

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膨大な数の幼虫。

ここから膨大な数のワーカーが生まれる。

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黄色と黒の美しいコントラストの極小種。

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ハリブトシリアゲアリについて 〜過去データ復刻編〜

ハリブトシリアゲアリ Crematogaster matsumurai

 

女王サイズ;約6mm

ワーカーサイズ;約2〜3.5mm

 

褐色〜黒褐色のシリアゲアリ。

前伸腹節刺は近縁のテラニシシリアゲアリなどよりも短く、側方から見三角形状。

樹上営巣種で、枯枝内などによくコロニーが見つかる。

枯枝は太い木や竹などよりも細い篠竹などでよく見つかる。

結婚飛行は8〜9月にかけて行われ、灯火に大量の有翅個体が飛来することもある。

 

 

 

 

 

結婚飛行後の個体。

翅を落としているもの、落としていないものがいる。

飛行時期には大量の有翅個体が灯火に飛来する為、ある程度まとめて採集すると何割かが脱翅する。

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秋に飛行する種の為、冬場の枯枝ではしばしばハリブトシリアゲアリの越冬女王が見つかる。

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飼育下の新女王。

冬を越えて春に産卵する(加温環境では冬のうちに産卵も可)。

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色付いた蛹。形態は裸蛹。

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初期ワーカー。

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初期コロニー。

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ナワヨツボシオオアリについて 〜過去データ復刻編〜

ナワヨツボシオオアリ Camponotus nawai

 

女王サイズ;約8mm

ワーカーサイズ;約4〜4.5mm

 

頭部・中胸・前伸腹節・腹柄節・腹部は黒色、前胸が赤褐色〜黒褐色、腹部には2対の斑紋”星”を持つ。

腹部の斑紋は個体変異に富み、コロニーによって”星”が明瞭なものからほぼ消失しているものまで見られる。

樹上営巣種でコロニーは枯枝や枯竹などで見つかる。

近縁のヤマヨツボシオオアリに比べ、ナワヨツボシオオアリは海岸沿いのエリアや平野部に生息地がある。

また、ヤマヨツボシオオアリの多雌性に対しナワヨツボシオオアリは単雌性。

 

 

ナワヨツボシオオアリのコロニー。

ワーカーは兵アリ、ノーマルワーカーの2型。

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トビイロシワアリについて 〜過去データ復刻編〜

トビイロシワアリ Tetramorium tsushimae

 

女王サイズ;約7mm

ワーカーサイズ;約2.5mm

 

褐色〜黒褐色のシワアリ。

草地や公園などの開けた場所の土中、石下、コンクリートの隙間などにも営巣する国内の最普通種のひとつ。

一般的なアリの餌も食べるが、クロナガアリ同様種子食も行う。

コロニーは多雌性。

結婚飛行は6〜7月に行われる。

 

 

トビイロシワアリの脱翅雌。

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多雌性。

産卵数も多い。

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初期コロニー。

蛹は裸蛹。

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種子食も行う。

写真はカゼクサの種を巣内運び入れた様子。

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トビイロケアリについて 〜過去データ復刻編〜

トビイロケアリ Lasius japonicus

 

女王サイズ;約8mm

ワーカーサイズ;約2.5〜3.5mm

 

体色が黒褐色のケアリ。

屋久島以北では最もよく見られる普通種の一つ。

草地や林内、石下や枯枝内、倒木の樹皮下などさまざまな場所で見つかる。

 

結婚飛行は6月下旬〜7月に観察。場所によっては9月頃まで飛ぶようだ。

飛行時期には一度に大量の有翅個体が灯火などに飛来する為、新女王の採集は容易である。

 

飼育もしやすい種であると同時に、クサアリ属やアメイロケアリ属の一部の種にとって一時寄生対象となる為、それらの飼育を試みる際に必要とされる種である。

 

 

トビイロケアリの初期コロニー。

 

 

初夏。

結婚飛行の際にはかなりの数の羽アリが飛来する為、このように大量の採集も可能。

 

 

有翅雌。

 

 

マイクロスコープ接写。

 

 

 脱翅雌。

 

 

初期コロニー。

最普通種の一つである為、実際のところそれほど力を入れて飼育したことがない。

 

 

 

○印は卵塊。

産卵数も多い。

 

 

 

 

2020年02月03日のつぶやき

02:52
トゲオオハリアリについて 〜過去データ復刻編〜 blog.antuncycropedia.com/?eid=78 #jugem_blog